<sonarsound tokyo>を心待ちにしている、みなさん。こんにちは、門井隆盛です。ボクは2002年、2006年の2回バルセロナの<Sonar>を取材したことのある音楽ライターです。これから、<sonarsound tokyo>が開催されるまでしばらくの間、このWebsiteで<Sonar>が提唱している「Advanced Musicとはいったい何なのか」について書きます。みなさんが、それを知ることで、「<Sonar>がいったいなんなのか?」を伝えることができればいいなと思っています。でも、ひとつの「正解」があるわけではありません。それぞれの人によって、さまざまな意見があって。まるで、おもしろい人には多面性があるように、<Sonar>に多様性を与えています。だから、みなさんにも、それぞれの<Sonar>があるべきだと思っている。そして、それを、もっとも雄弁に伝えてくれるのは、ボクの私見ではなく、<Sonar2006>に出演したアーティストたちのインタビューだと思います。だから、2006年6月にバルセロナで収録してきたインタビューを、ここに掲載していきます。ちなみに、誰のインタビューを録ってきたか、今は言いません。有名な人が登場するかどうかなんて、つまらないことで判断してほしくないから。

インタビューは<Sonar>最終日、つまり3日目の朝におこなわれた。ジェフ・ミルズは前夜の<Sonar By Night>で2:00〜4:00くらいまでプレイし、ボクはダンス・フロアで朝をむかえた。僕は早朝のバルセロナ市内を歩き、ホテルに戻り、シャワーを浴びて、仮眠をとり、すぐに取材へ向かった。正直、かなりのハード・スケジュール。でも、ボクはジェフと4月来日時のインタビューで、止まらなくなった話のつづきをするためにバルセロナへやってきた。だから、眠い目をこすりながら歩いた。ジェフ・ミルズが取材場所に指定したLe Merdian Hotelは、帝国ホテルのような佇まいの高級ホテル。ジェフはトレンディでオシャレなホテルではなく、いつもこういうクラシックな佇まいのホテルにステイしている。そんな場所で、少しでも二日酔いを抑えようと炭酸水をガブのみする僕の前に、テクノ界きってのジェントルマン、ジェフ・ミルズは現れた。
−ゆうべのセットは<Sonar>を意識したものでしたか?
JM:そうだね。今年の<Sonar>テーマとして、ソウルやファンクなど「今日の音楽に影響をおよぼした黒人音楽」というのがあったからね。それで、CHICも登場したわけだし。だから、いつもよりもソウルフルな曲やディスコっぽい曲をかけようと思った。それに、こんなに9万人の前でDJするのも滅多にないことだしね。
−<Sonar>に特別な思いはありますか?
JM:もちろん。初期から参加させてもらっているし、自分は<Sonar>と共に成長してきたと思っている。はじめて参加してから、もう12年になるかな。毎年、来ているよ。幸運なことに毎年招聘してもらえているからね。ヨーロッパのシーンの中でも<Sonar>は特別なフェスティバルだ。インディペンデントで挑戦的な考えを持ったエレクトロニック・ミュージック・アーティストのためのイベントだし。エレクトロニクスを使ったアートのフェスティバルでもある。僕は<Sonar>を通じてシーンの成長を見つめてきたと思っているよ。
−最初に参加したのはいつでした?
JM:確か2回目だったはず、1994年か95年だったと思うよ。
−最初にオファーをもらったときの印象は?
JM:当時はベルリンに住んでいたから、スイス、ドイツ、オーストリアなどで主にプレイしていた。すでに巨大イベントには慣れていたし、どういう DJをすべきか分かっていた。だから、当時はまだ小さなエレクトロニック・アート・フェスティバルであった<Sonar>からオファーを受けたとき、これはおもしろそうだと思ったよ。6月のバルセロナは天気もよさそうだし、バケーションとして来るにもいいところだからね(笑)。みんなフレンドリーだし、すぐにオーガナイザーたちとも友達になれた。それで、<Sonar>のすぐ後にバケーションでバルセロナを訪れて、オーガナイザーたちと音楽以外でも付き合うようになったんだよ。