
R:セニョール・ココナッツ(笑)。
C:聴くべきアクトだよね。あと、ラゼール
R: Softpad、京都のね。そしてDJ KRUSH、すごく好きなんだ。
— アドバンスト・ミュージックを自分なりにいいかえると?
C:いい言葉だと思うよ。カテゴライズは好きじゃないけど。この言葉は限界をプッシュしていこうというマインドをもった音楽ということしか言ってないからね。後ろ向きじゃなくて、前向きな音楽……、それはいいと思う。
R:ボクならオルタナティブ・ミュージックという言葉を使うかな。アドバンストというと、他人よりも、あるいはマジョリティよりも前に出るとか、先を行くという意味が含まれているように思える。だから、ちょっとスノビッシュな感じがすると思うんだ(笑)。オルタナティブは先でも後でもないし、マジョリティとは違うというだけを指しているからいいと思うんだ。ちがう側面やムーヴメントや情熱であっても許容できる言葉だと思う。でも、まあどうでもいいんだけどね(笑)
—<sonarsound tokyo>はどうあるべきですか?
C: <Sonar>が日本ですべきことね・・・・・・。バルセロナのコピーである必要はないよね。その精神を継承するものであったとしても。バルセロナの<Sonar>はヨーロッパにおけるエレクトロニック・ミュージックのシーンですごく影響力を持っている。もっとも知名度があり、もっとも面白いフェスティバルだと思うし。<SST>は、日本独自、東京独自のものをつくっていけばいいと思う。逆に、ただ<Sonar>を輸入するだけでは、まったく意味がないと思うんだ。たとえば、同じラインナップになったら、すごくつまらないと思うよ。でも、同じ世代でメンタリティを共有しつつも、それぞれがオリジナリティのあるものを築いていけたら素晴らしいことだと思う。
R:それは、すごく良い意見だね。(ここから日本語に変える)スピリットといったのは、とても大事なことなんですが。そのバルセロナのスピリットというのはこの町独特の歴史や文化から湧き上がってくるわけだよね。だから、<Sonar>っていう音楽フェスティバルと、町の魅力・豊かさというのは一体のものだと思う。で、東京にはその豊かさがあまり感じられないんですよね。もし日本でバルセロナのような文化的にも歴史的にも興味深いところをあげろといわれたら、やっぱり京都とかね。そういう文化が残っているところ。東京に文化なんてないじゃないですか。秋葉原くらいしかないと思うんだけど。だから、つまらない。東京は。現実的なことをいえば、京都には大きなヴェニュー(会場)がないとかね、いろいろ問題もあるとは思う。こっちを立たせれば、こっちが立たずみたいなことになってるんだけど。
これは<SST>の問題じゃなくて、東京の問題なんだよ。東京の問題というのは、そこに暮らしている人間の問題でもあるから。僕らが悪いのかもしれないけど(笑)。
あとがき:
取材の後も、坂本龍一さんは「お前たちが東京を面白くしなくちゃいけないんだよ・・・・・・、まあ俺もなのかもしれないけど(笑)」と力説をつづけてくれた。それが、すごく印象的だった。不意に平手打ちを食らったような気分にさえなった。「東京の文化」・・・・・・、いや、「僕たちが住んでいる街の文化」について、今一度考えるべきじゃないだろうか。それも、誰かが楽しくしてくれるのを待つんじゃなくて、自分たちで楽しくする方法を考えて実行していかなくちゃいけないんじゃないだろうか?どんなことをすればいいのか、わからない?たとえば、ボクがこうやって<sonarsound tokyo>に関わってるっていうのは「東京を面白くする試み」なんじゃないだろうか?別に大したことをしてるわけじゃないけれど、何もしていないわけじゃない。